感情が空間を形作る不思議な力
私は長年いろんなお宅を訪問してきましたが、その家ごとの「気の流れ」を肌で感じることがあります。
良い空間は軽やかで新鮮。心地悪い空間は重々しく、どこか曇っているような感じがします。
この目に見えない現象は、私たち自身の中でも起こっています。
表面的な美しさだけでなく、自分と向き合って丁寧に整えた空間には、特別な心地よさがあります。
疲れていても、そんな空間に帰ると自然と肩の力が抜け、心が静かに整っていく。
ただそこにいるだけで、何かが満たされていく感覚...そんな経験ありませんか?
仕事のストレスを抱えたまま帰宅しても、自分の内側と対話しながら整えた部屋には、不思議と心を落ち着かせる力があります。
ここで意識的に「シフトチェンジ」を行うと、その効果はさらに深まります。
このように空間には感情が影響していることがわかります。
その為、最近はインテリアコーディネートを行うときは、感情を引き起こせるようなコーディネートを心がけています。
五感が感じる見えないレイヤー
「最近強く感じるのは、生きている自然の力や、空間に集まる感情や言葉のエネルギーが持つ力。
科学では証明しきれなくても、私たちの日常では実感できるもの」
空間の心地よさは、見た目だけで決まるわけでなく、そこには目に見えない複数のレイヤーが存在しています。
まず、花や樹々など自然物の生命力のエネルギーのレイヤー。そして、空間で過ごす人たちの感情が蓄積されていくレイヤー。
家族の笑い声が響いた食卓、友達とおしゃべりしたリビング、一人で本を読んだ窓辺の椅子。
それぞれの場所には、そこで生まれた感情が宿っています。
それから、五感を通じて感じるレイヤーも大切。心地よい音楽、香り、触れる素材の質感...
これらすべてが空間の奥行きを作り出しています。
日常で実践する感情のチューニング
「最近の私の楽しみは意識的に生花を飾り、お香を焚いて自ら整えてパワーアップさせています」
見えないレイヤーは、意識的に育てることができます。帰宅したら深呼吸する、好きな音楽をかける、アロマの香りを漂わせる...
こんな小さな「切り替えのスイッチ」を持つだけで、部屋の雰囲気がぐっと変わりますよ。
また、視覚的な美しさだけでなく、そこに込められた思い、言葉の響き(言霊)も大切にすると、
より深い心地よさが生まれるように感じています。
部屋で交わす言葉や思いにも気を配ると、これらが空間のエネルギーを明るく温かなものに変えていきます。
本当に心地いい空間は、キレイな家具や整理整頓だけでは作れません。
そこに流れる感情のエネルギー、五感で感じる心地よさ、言葉や思いの温もり...
これらすべてが調和したとき、ただの「部屋」が「あなたの居場所」に変わります。
心地よい部屋作りのヒントにしてみてくださいね。